毎月恒例退散祈願
平常時なら笑って済ませることがいちいちささくれ立った心にひっかかって苛々する。
汚いところや悪いところばかりが目につく。
ひとりになりたい。とにかくひとりになりたい。
見知らぬ場所に旅立ちたいわけではない。ただ家のなかで、沈黙していたい。家族の世話だとか家事なんて考えることもなく、ひたすら単純なゲームでもしていたい。聞きたくない音は聞かない。テレビもいらない。雨が降ったらベランダに入り込む水音だけを聴いて眠るような生活がしたい。
こんなに調子が悪いのは間違いなくPMSのせい。原因はわかっているのに、それに対抗できる術がない。ハーブティも試した。カフェイン抜きも試した。断酒もしている。運動も。それで身体の具合はましになる。月経自体も少しは軽くなる。だけど気分だけはどうにもならい。嵐に翻弄される。それまで穏やかに周りをとりまいていたものが、あっというまに怒りや悲しみの色にそまる。それらのもの自体が変化したわけではないことは知っている。私の視界に何者が勝手にフィルターをかけてしまった。月に一度、数日に渡って悪さをするそいつ。神頼みしても治らない。制御できない怪物の存在を自分の内に感じる。
煙草とカート
煙草を吸うのにスーパーマーケットやコンビニの外に設置されている灰皿を渡り歩く。
昨日行ったスーパーでは、灰皿の近くに買い物カートが放置されていた。
たまには人の役に立ってみようかと、カートを店内に戻したがドアが手動だったのでなかなか苦労した。
そして今日も同じスーパーに煙草を吸いに行くと、またしても灰皿近くにカートがある。同じ人なのだろうか。それとも、そこにカートを置く一定数の人がいるのだろうか。
だいたい、ドアが手動なのに。
そのドアをわざわざ大きく開けて動かないようにしてから、外に持ち出しているというの?
灰皿がある入口の近くには数台分の狭い駐車場がある。入口からは近いがあまりに狭いので、私はそこには停めない。放置カートはそこを利用している人の仕業なのだと思う。
別の入口側にある駐車場にはカート置き場があるけどここにはない。
だからといってカートを使い捨てていくのはどうなのか。
二度あることは三度ある。次に行くときにもきっとカートがあるんだ。
それにしても、私が煙草を吸いに行くのはスーパーが開店して間もない時間帯。
その短時間に、わざわざ手動ドアを開けてカートを出し、車に積み終えてカートを放置することが二日連続している。
もしかすると、カートが放置されたのは前日なのか。
私がカートを店内に戻したのは、店員が店じまいをするときの負担を減らすためだったのだけど、もしかして毎日戻す必要はないのだろうか。
次にカートを見かけたら、思いきって放置してみようか。
ミレーナが気になって調べた
月経の話。
ミレーナが気になっている。
子宮内に装着するリングで、少しずつ黄体ホルモンを放出することで避妊や月経過多、月経困難症に効果があるらしい。
避妊以外の目的で付ける場合、つまり月経過多や月経困難症と診断され、ピルの服用に不安があると判断されミレーナ装着が望ましいと判断されれば保険が適用になるそうだ。
装着には診察込みで4~5万円くらい。その後も定期的に検査する必要があり、最低でも5年以内にはミレーナ自体を取り替える必要がある。
どうやらPMSにも効果的らしいし、とても気になる代物ではあるんだけど、私はおそらくあと5年もすれば生理自体あがるだろうし…と思うと面倒さのほうが微妙に大きくて、調べれば調べるほど「まぁ、いいか…」と。
生理用品の価格(タンポン高すぎ)とか、生理中のわずらわしさ(入浴とか睡眠とかゴミの多さとか)にはほとほと嫌気がさしているけど。生理前の異様な眠気や食欲にかなり無駄な時間を費やしているけど。
「面倒」それだけが判断基準。裁判官の視点はそこだけ。
ピルも、毎日飲むのが続かなくてだめだった。
多分、死ぬ直前まで「息をするのが面倒」と思ってるのかもしれない私。
煙草を買った
吸った。
喉にヴッとくるたびにストレスから解放された気がした。
買った場所はコンビニ。番号は見えるけど説明が書いてあると思われるプレートは文字が小さすぎて読めなかったから勘で選んだ。
カラオケボックスにこもってひたすらに喫煙した。全部で五本くらい吸った。
残った煙草とライターは捨てずに持っておくことにした。これがある限り、また一人でふらりとどこかに行く必要がある。そのときのために大事に持っておく。
夫に発見されたらきっと非難されるだろう。でもこれくらいの非行で家内安全が保たれるんだからましなほうだ。Twitterで未成年相手に色恋のメッセージを送るよりずっといい。私が傷つけているのは自分だ。
四十にもなって生身の人間がこわいだなんて
大人は強いものだと思っていた。子供より身体が大きいし、お金もあるし、行こうと思えばどこでも行ける。だから大人は強いはず。
いざ自分が歳を重ねてみると、確かに身体は大きくなった。お金も国内くらいならすぐに行ける。だけど強くない。特にメンタルは激よわ。にんげんがこわい。文字ならば落ち着いて受け止めることができるんだけど、特に生身の人間が相手だと視線、発言、声色、隠された本音、くみ取れない意図、まわりくどい表現すべてが未知で恐ろしい。判然としないもの、はっきりしないもの、突発的なもの、それらを内包する生身の人間に対応するのがひどく疲れる。
驚くべきことに、相手が一桁年齢の子供でもこわい。自分の子供はまだ楽なほうというか、ある程度の思考や行動のパターンが読めるからましだけど、他所の子供はやっぱり未知。しかも近所だと子供プラス親、なんなら兄弟、祖父母とファミリー単位になっちゃって手に負えない。人間は未知だからこそ無限の可能性を秘めていて面白い、なんて思える器があったらどんなによかっただろう。表情だの表現だのを読み取るのが困難な人間のためにターゲットを即座に数値化して分析するロボコップみたいなハイパーテクノロジーコンタクトレンズをはやく商品化していただきたい。そのためにはどこの株を買ったらいいのだろう。
元喫煙者だけどVAPE吸ってみた
喫煙までのハードルが多いから
ここ数日間、スーパーやコンビニに入るたびに煙草を買うかどうかで心が揺れている。
結局買わないで店を出る。買わない理由は乗り越えるべきハードルが多すぎるから。
喫煙の習慣があったのは十年ほど前で、禁煙してからは煙草とは無縁の生活を送った。数年前のある日を除いては。
数年前に今と似たような衝動にかられたときのこと。コンビニで適当な煙草とライターを買い、外にある灰皿のところで吸った。そのあと具合が悪くなり吐いてしまった。煙草イコール嘔吐、と記憶に刻み込まれた私はもう煙草を吸ってみたいとすら思わなくなった、はずだった。
しかし、煙草にまたしても憧れつつある。吸ったときの「身体に毒がはいってくる」感じ。身体中の血管が細くなって血のめぐりが緩慢になるような心地。
私が煙草を買えない理由はいろいろある。
どこで吸うのか
煙草を吸う場所が思いつかない。
車:夫(非喫煙者)と子供が乗るときに匂いが残ってたらいけない
喫煙可能な飲食店内:煙の多いところに居たくない
コンビニの屋外:知り合いにあったら気まずい
数年前の嘔吐時はコンビニだったけど、その頃は近所にほとんど知り合いがいなかった。
どうやって買うのか
昔吸ってたときはtaspo導入前。今の自動販売機でtaspoが必要かどうかすらよく分からない。多分taspoなしでは買えないんだろうと思ってる。
コンビニとかスーパーの対面販売は銘柄がよくわからなくて番号を指定できない。
よくコンビニで客と店員で「銘柄vs番号」の問答をしてるのを見るけど、銘柄も多すぎてわけがわからない。
どこに保管するのか
煙草を無事に入手できたとして、どこにしまっておくかが問題。
家族には知られたくない。夫に見咎められて正論をぶつけられるのも呆れられて非難されるのも嫌。今の私にとって煙草は自由の象徴でもある。だから家族には完全に秘密にしないと意味がない。
そういうわけで、一本か二本吸い終わったら残りは全て処分するしかない。うーん、流石に勿体ない。一本だけ売ってくれるお店があったらいい。
煙草を吸うにはハードルが多すぎる
それを乗り越えてまで吸いたいかと自問すると喫煙願望が薄れるくらい。
現代の煙草事情では簡単に喫煙するのは無理。新たな喫煙者を増やさない仕組みになっている。そう思うと、お酒は世間的にまだかなりゆるいほうだよね。
そんなこんなで煙草に関してはあきらめつつ、ベイプとかいう電子タバコを買おうかとも一瞬思った。なんでアイコスじゃなくてベイプかっていうと、安いから。
ベイプはタールもニコチンも含まないリキッドがメインだとかで、熱した香料の水蒸気を口から吸うって、、アロマ? ちょっと意味がわからないというか、口から吸って楽しいものなんだろうか?と疑問が残る。
でも、ガラムを吸いたいのを紛らわすためにクローブのリキッドを試したいからベイプ買ってしまうかもしれない。