読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

四十路になったおいわいに

女が四十をむかえるとき。それはなにかのおわりでもあり、はじまりでもある。

あきれるほどにそうさ音痴そう、わたしも

夫はよく家のなかで歌を口ずさむ。

夫の歌は音程が外れている。

途中まで合っていても、ふとした部分から外れてそこからキーが変わる。

予測できないメロディの上下。

 

ある日、意を決して夫に告げた。

「音、外れてるよ」と。

夫はとくに傷つく様子もなく「知ってるよ」と答えた。

髪の毛に寝ぐせついてるよ、とでも言われたみたいに。

音程がかなり外れていること、知ってるよ。って。

 

しかしわたしは疑っている。

音程が外れていることを知ったからには、直そうとするはずだ。いや、直さずにはいられない。

ちょっとやそっとじゃない。

わたしだって、完璧な音程で「らいおんハート」を歌えるかと言われたら、百点満点など到底出せない。

いいとこ88点くらいだと思う。音程の正確度としては。カラオケの採点でうんと調子がよければ95点くらいは出せる。

そうだ、採点だ。

夫がカラオケの採点機能で歌うところを今までに何度か見た。

夫の平均点は85点くらい。

あれ?

わたしとあまり大差がないな。