夫が出会い系で浮気してたけどどうでもいいや

子あり四十路女。若い女の子に目がない夫と冷めた生活を継続中。

寺島しのぶ×野村忠宏 SWITCH 覚書き

女優・寺島しのぶと柔道家野村忠宏の対談。

意外な組合せ。寺島しのぶが野村の大ファンだったことで指名。

 

寺島しのぶは演技とはうって変わってフニャフニャとアンニュイに喋る人だった。役者ってわりとこういうタイプが多いのかな。本人はいたってニュートラルというか、純粋な『いれもの』として存在していて演技のときになかにいれたどぎつい色を輝かせてみせるような。演技していないときの役者ってだいたい脱け殻なのかなと思う。

 

寺島しのぶは家柄のこともあり勝ち負けにこだわるタイプだそうだ。女に生まれたというだけで歌舞伎役者として舞台に立つ資格すら与えられなかったことが相当記憶に残っているらしい。その悔しさから一時はお稽古ごともすべてやめて、部活に打ち込んだことも。でもやっぱり演じることが好きな気持ちは変わらず、舞台役者として1から修行することに。

 

まぁね。歌舞伎役者の家柄に生まれたけど女だから舞台に立てなかった、というのはしのぶにとっては大きな挫折というか存在そのものを否定されるようなことだったのはわかる。

それでもさ、そういう家に生まれついたというのは一般的にみたらものすごいアドバンテージだよね。松たか子だって、あの頃あんなに人気が出たのも家柄のことが大きいと思うし。存在自体にカリスマが付いてるみたいな。

 

えっと、それで寺島しのぶ

野村氏が『本番前の集中のしかたとかありますか?』と聴いても、うーん別にないかなぁとかなりフワフワしてた。

『これだけは他の女優に負けない、みたいな武器はありますか?』には、DNAかな、と。

ほら~、やっぱりすごいアドバンテージなんじゃ~ん!そりゃね、一般家庭出身の女優には逆立ちしたって手に入らないめっちゃ強力な武器ですよね。うん。

 

おもしろかったのは演出家・蜷川幸雄とのエピソード。

まだ駆け出しだったしのぶが蜷川幸雄の演出で舞台に出ることになった。噂通りに激しい演技指導。しかもその舞台が常に雨が降っているという演出で、打ち付ける水がかなり高いところから落ちてくる。それを頭で受け続けていたら痛くなってきてしまった。あまりに痛かったので、先輩役者の『肩で受ければ痛くないよ』というアドバイスを参考に雨を肩で受けるようにしたしのぶ。それを見た蜷川は激怒。

『何やってんだ!雨は頭で受けるんだろーが!』

しかし、しのぶは引き下がらなかった。

『そんなに言うならこっちきてやってみてくださいよ!!!』

そう言い返された蜷川は雨が打ち付ける舞台に立ち、頭で受けた。そして言った。

『…肩でいい』

 

あの頃は若くて、生意気言っちゃったんですよねー、と現在のしのぶが頬笑む。

 

当時のしのぶは、駆け出しにもかかわらず真っ赤なベンツを乗り回し、付き人をたくさん引き連れていた。

蜷川はそれについて『今はまだ実力がともなっていない。だけどお前はそれをやめるな。お嬢様はどうやったってお嬢様なんだから。これから役者として実力を身につけたとき、すごい女優になる』と言っていたそうだ。

はー、こういうエピソード大好き。サクセスストーリーというかなんというか。

 

役者という職業には明確な勝ち負けがないから、身体ひとつで戦いぬくアスリートに憧れるとも言っていたしのぶ。話し方はフワフワしていたけど彼女自身の人を惹き付ける魅力が半端ないと感じた。

 

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