「お節介なオバサン」という幻想について
「監獄のお姫さま」最終回。
今までわちゃわちゃしてただけだったのが、最後でどっと畳みかけてきた。ものすごい勢いで風呂敷たたんだ。というか、クドカンが単に「わちゃわちゃしてるオバサン達」を描きたかったんだろうなというのは伝わってきた。
総合的には面白かった。けれど、連呼される「オバサン」の回数が多すぎて終盤うんざりしてた。周りだけじゃなく、本人たちも「オバサンだからしょうがないじゃない!」というセリフが多かったんだよね。
このドラマでは、お節介なオバサン達の行動がすべて。
「姫」に協力し、育児を手伝い、出所してからも姫の復讐のために再犯までして危険を冒す。
なぜそこまで「姫」にお節介を焼きたがるのだろうか。まずそこがわからなかった。
姫を演じているのが夏帆、だから尚更。
夏帆のように天然色白美人でぼんやりしている人は男性からしたら確かに「守ってあげたいお姫さま」なのではないかと思う。だがわたしは夏帆がきらいだ。いや、夏帆という女優さん自身は好きでも嫌いでもないが、夏帆がまとうイメージがきらいだ。
実際四十路のオバサンであるわたしが思い浮かべる「姫」のイメージは、藤原紀香のように自分の美意識に絶大な自信をもって突っ走っているような人だ。
まぁ、そういう個人的な好き嫌いはともかくとして。
オバサンの1人に惚れる検事のノブりんが最終回でこんなことを言った。
「若い子はいつかオバサンになっちゃうけど、かわいいオバサンはもうそれ以上オバサンになることはないんだ(だからババカヨが好き)」
なんだかなー。
オバサンというレッテルにこだわりすぎじゃないのかね、クドカンさんよ。
オバサンだからわちゃわちゃしてる、とか、オバサンだからお節介焼きたがるとか、ちがうからね。
わちゃわちゃしてる人は若い頃からわちゃわちゃしてるし、お節介焼きたがりな人は若い頃からそうなのよ。
オバサンになったからってオバサンっぽい性格にはならないの。
あたりさわりのない世間話が得意にならないオバサンもいるし、ずっと人見知りでわちゃわちゃするのが苦手なオバサンもたくさんいるんだよ。クドカンめ。