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四十路になったおいわいに

女が四十をむかえるとき。それはなにかのおわりでもあり、はじまりでもある。

もう誰の世話もしたくない

自分の身体だけでも管理が面倒だというのに我が家の男達は誰も他人のために動こうとしないどころか自分のこともろくにしないもうこんな生活いやだ逃げたい誰も知らない場所で誰とも関わらずに生きたくなる離婚はとうに考えた言葉にしても夫は真に受けないだからもう生き別れることは無理なのかと思い詰めて実行したのは確か六年前ほどのこと。

 

思いを煮詰めておくとプログラムを入れておいたみたいに自動的に実行に移されることを知ったあの夜の記憶は本当にブラックアウトしていて目覚めたらたくさんの見知らぬ医師達に囲まれていた。

 

それは皮肉にも願い事をしつこく何度も現実的に想像し続ければ夢は叶うのかもしれないという裏付けになった。だから後ろ向きのことではなく前向きのことをどうにか実行できないだろうかと思い詰めればいつかはそのようにことが運ぶにちがいない。すべてはタイミング。

だれかさんの悪夢 (新潮文庫)