歌番組のワイプで口パクする芸人
「クリスマスに聴きたい歌ベスト100」なんてVTRが流れるときにワイプで出演者が歌に合わせて口パクする文化。あれなんなんだろう。誰がやりだしたんだろう。昔は見かけなかった気がする。そもそも昔の歌番組って生放送でほとんどVTRを流さなかったから、口パク芸人も存在しなかったのかな。
口パクすることによって得られるものはなんだろうか。
メリットがあるから口パクしてみせているのだろう。
- この歌が好きアピール
- こんな古い歌を知ってるアピール
そんなところか。
ワイプに映りこむからには目立ってなんぼの芸能界。真顔でいたり、周りと喋っていたりするよりは「視聴者といっしょにVTRを楽しんでいるアピール」ができるのかもしれない。
しかし口パクを見ると苛立つのもまた事実。
VTRの歌が本当に好きで思わず口ずさんでいる、のとは程遠いから。ワイプで口パクする芸人はどの歌でもする。やればやるほどイメージアップにつながるのだと信じこんで、または教え込まれて口パクをする。
こちらは口パクが気になってテレビ画面の一部を物理的に覆いたくなるほど。いっそワイプなんてなければいいのに。だけど、たまに口パクアイドル達のなかで浮きまくっている真顔のアーティストを見るのは好きだ。そう、地蔵のようにただVTRを見まもる姿は本来であればかなり自然体。表現者としては貴重な素顔なのだ。たまにワイプに抜かれたこと自体に驚いて照れ笑いする人もいて、それもわりと好き。ワイプがなくなったらそういう瞬間も見れなくなってしまうのか。口パク芸人は滅びてほしいけれど、ワイプが完全になくなったらすこし寂しい。