★★★☆☆ ドラえもん のび太の宝島

映画ドラえもん のび太の宝島を観てきた。

息子にとっては初めての映画館であり、私としてもドラえもんの映画を観るのは初めて。

息子はテレビでドラえもんを見るときに感情移入しすぎて「こわい」と走り回ったり転がったりする。そんな子が映画館で二時間近くも座っていられるかどうか心配だったが、騒ぐこともなく最後のエンドロールまで観られてよかった。それだけで感動したので映画にも100点つけたいくらいだけども、映画そのものとしては50点くらい。

ドラえもんの映画を見たことがない私としては、これくらいが映画ドラえもんのスタンダードなのかと不思議に思って共に観賞した夫に尋ねてみた。昔から漫画や映画のドラえもんに親しんでいる夫からしたら、今回の宝島は「まぁまぁ」という評価だった。

宝島の感想をネットで見てみるといくつかしっくりくるものがあった。なかでも大いに同意だったのが『見せたい場面が先にあり、そのためストーリーの裏付けや深みがほとんどない』というもの。普段のテレビとは違うダイナミックな動きや感動的なシーンが盛り込まれていて直感的に楽しい瞬間は沢山ある。しかしカタルシスがない。ドラえもんのび太たちが頑張ったから地球の危機を免れた感が少ない。フロックはドラえもんたちを宝島に導く駒、そもそもしずかちゃんがさらわれたのも単なる人違いで、そっくりさんというか色違いのセーラはてっきり捕虜かなにかかと思えばただの住民だし。言うほどそっくりでもないし…。そもそもあの海賊たちはどこから派生してあんなに大規模なコミュニティを築き上げたんだろう。シルバーは元々船長だったのかなんなのか、たった一人で大それたことしてるわりにセキュリティ甘すぎだし。のび太号の船のシーンをもっと少なくして、海賊の暮らしぶりをもっと見たかった。なにかと消化不良な感じが残った。

そういえば長澤まさみはなかなか良かったよ。優しそうな、しっとりした母親の声だった。大泉洋はいつもながら安定してたし、サバンナ高橋に至っては馴染みすぎて完全に聞き逃してた。海賊の一人だったらしいけど、どれだったんだろう。アニメの映画版って毎回なにかしらゲスト声優で芸能人を起用するのが心配だったけど今回のは大丈夫だった。昔のアンパンマンとか見るとほんと異質な声が混ざっててびっくりするよね。

 

小説 映画ドラえもん のび太の宝島 (小学館文庫)

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